心の傷癒し、共に生きる 子どもたちに居場所を 社会人として自立するまでの子ども時代を、多くの子どもたちは家庭で過ごす。家庭崩壊や虐待を受けて、それができない子どもたちは児童養護施設で過ごすが、高校に進学できなければ無理にでも自立しなければならない。こうした青少年の心の傷を癒し、人間関係を作り直すとともに、社会に出てからの心の拠り所を提供し、自立への支援を行うことを目的に平成九年、自立援助ホーム「星の家」(宇都宮市大通り4丁目2―18)は開設された。支援活動は、現行の福祉制度からスッポリ抜け落ちた部分にも関わらず、県内には「星の家」と同様の施設は無い。現在5人の青少年が星の家に居住しているが、「入居希望者だけでも3倍以上おり、入居できない青少年が路頭に迷っている」と、星の家ホーム長の星俊彦さん(54歳)は嘆く。
会員になって支えて
児童養護施設に勤務していた星さん。「何か問題があれば相談に乗る」と施設を卒業する子どもに電話番号を教えたところ、勤務1年目から問題が発生した。仕事を突然辞め、一文無しで住む所すらない卒業生が泣きついてきた。仕事が見つかるまでの約束で居候を許したが、「星先生のところに行けば住まわせてくれる」と子どもたちの間で噂となり、次から次からと居候の受け入れが続いた。
平成3年、美帆さんと結婚し「もう居候は来ないだろう」と夫妻は思ったが、今度は女子が「妊娠しちゃって堕胎することもできない」と訪ねてきた。夫妻に子どもができた後も、行き場の無い子どもたちの訪問は絶えなかった。
「個人的なやる気だけでは支えられない」と支援者を募り、自立援助ホームを作るために平成8年、青少年の自立を支える会を発足。同10年にはホームを利用しない子どもたちへの電話相談「自立のホットライン」を開設。11年に支える会がNPO法人認証を受け、14年には全国で十番目の国税庁認定NPO法人となった。
星の家の支援は、一緒に暮らすこと。普通の生活の中で、社会に出た時、変な人と思われないように常識的な感覚で関わっていく。「とんでもない家庭に育ったり、施設の中で十把一絡げに育てられた子というのは、普通のスキルが身に付いていない」。それがつまづきの原因になるという。
「過酷な環境の中で傷ついた子どもたちは、ホッとできる環境に来たら『良かった、じゃあ前に進もう』にはならない。今まで得られなかった幸せを求め」退行する場合が多く、精神的に不安定になり、暴れたり、飛び出したり、自傷行為をするなど感情のコントロールができない子がいる。「そういう子一人ひとりと向き合い、共に乗り越え、時には振り回されたりしながら子どもたちと付き合っていくこと」で、少しずつ信頼関係を築き、絆を持つことが大切と話す。また、子どもたちには「自尊の感情を育み、大切な存在という自分を自覚してほしい」。
星の家の居住期間は半年から1年。働いて、お金を貯めてアパートへ引っ越すことが自立援助ホームの表面的な流れだが、「本質はそこにあるのではなく、一緒に暮らす間に築いた信頼をテコに、ホームを出た後も一緒に生きていくことです。私たちは長い付き合いとしてみています。彼らにしてみれば、一生抱えていかなければならない。一人で抱えられないときには、だれかが支えてあげる。『大丈夫だよ』って言ってくれる人がいれば前へ進んでいける」。支援に終わりはないと星さん。
ホームを出た子どもたちが遊びに来る。子どもたちの多くは、星の家の近くにアパートを借りて暮らしている。
会員及び寄付募集!
第2の星の家開設の構想もあるが、現在の星の家維持にも四苦八苦しているのが現状だ。財政状況は、国や県からの補助(約700万円)も活動費の4分の1程度のため、会員(未納者を含め約700人)の会費(年5000円)や寄付、バザーやチャリティーコンサートの収益金で運営しているが、台所は火の車で、「活動内容に賛同していただき、会員になってくださる方が増えれば助かります」と星さんは話している。
◉総会議決権を持って会の運営に参加する正会員(会費は所得控除の対象外だが寄付金は所得控除の対象)=年会費5000円
◉継続して金銭面で支援したい賛助会員(賛助会費は寄付金として扱われ、所得控除の対象)=年会費個人5000円、団体2万円
◉会員外で支援をしたい(寄付金は所得控除の対象)
●会費納入及び寄付の郵便振込先=加入者名…青少年の自立を支える会 口座番号…00140・3・366972 通信欄に会員種別等及び金額を記入ください
【2008年2月1日2面掲載】