
大田原市住吉町1−1−28
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喉越しすっきり正統派
製造量の半分は那須、塩原、鬼怒川など観光地に卸す戦略をいち早く取り入れてきた鳳鸞酒造(創業明治14年、脇村光彦社長=写真、製造要員5人、製造石数1500石)。「晩酌酒として親しまれているのは一部の蔵元で、地酒の販路は贈答が大半を占めるのが現実です。最近は県南の酒造メーカーも那須に進出してくるなど競争が激化、厳しくなりました」と脇村社長。
関東圏内で一番早く自動精米機を導入、冬場の繁忙期には精米担当を一人付けてフル稼働する。「大吟醸用に米を精米するには72時間掛かります。悪い米を使用しますと高精米に耐えきれず使い物になりませんから、良い米を使わないとだめですね」。
同社の主力商品は「低温熟成」。春先造った酒を常温で保存した場合、酒質は劣化しひねた酒になる。同社では、35年前からタンクごと大型冷蔵庫で保存。真夏でも七度。零度以下で保存する吟醸用冷凍庫も敷地内にある。「個人的に好きではないので」古酒は造らない。低温熟成は、春先に造り秋から出荷を始め、1年間で販売する。
昨年までは南部杜氏が造りを行っていたが、今年の10月から地元採用の石井浩さん(35歳)が仕切る。「杜氏に育てようと思っていた人間です。親方の元で11年働いてきましたが、手伝うのと実際造るのでは違います。麹を育てるのが一番難しいですからね。普通酒はもう問題なく造れますから心配していません。鑑評会で入賞できるような、2年目からは良い酒ができるのではないかと期待しています。今年は勉強の年、失敗してもいいから頑張れるように、給与面でもバックアップしてあげなきゃいけませんしね」と船出を見守る。
大吟醸造りの際は毎年、麹の世話のために会社で寝泊まりする情熱の石井さん。まずは、鳳鸞の味を守ることから始める。


?大吟醸「那須」=写真右 大吟醸酒ならではの華やかな果実のような香りと気品ある繊細な味わい ▽杜氏名…石井浩(栃木県)▽仕込み水…箒川伏流水▽原料米…麹米(山田錦)、掛米(美山錦)▽精米歩合…47%▽使用酵母…協会9号▽アルコール度数…15.8%▽日本酒度…プラス4▽酸度…1.1▼蔵元推奨の店…田中酒店(那須)
低温熟成「鳳鸞」=写真中 冷蔵貯蔵庫で1年間じっくり低温熟成させたクセのない自然な旨さと熟成のまろやかさが一体となった味わい ▽杜氏名…石井浩(栃木県)▽仕込み水…箒川伏流水▽原料米…麹米(山田錦)、掛米(美山錦)▽精米歩合…66%▽使用酵母…協会7号▽アルコール度数…15.4%▽日本酒度…プラス1▽酸度…1.4▼蔵元推奨の店…小高酒店(親園)
大吟醸「那須自慢」=写真左 豊かな香りと淡麗な味わい ▽杜氏名…石井浩(栃木県)▽仕込み水…箒川伏流水▽原料米…麹米(美山錦)、掛米(美山錦)▽精米歩合…47%▽使用酵母…協会9号▽アルコール度数…15.8%▽日本酒度…プラス2▽酸度…1.3▼蔵元推奨の店…千本松牧場
いずれも日本料理によく合う。
【2007年9月21日1面掲載 写真/記事 野田武志】