
平成18年10月、障害者自立支援法改正により、精神障害者の社会復帰施設だった「栃木地区ひまわり共同作業所」の事業を引き継ぎ、新たにNPO法人蔵の街ウエイブを立ち上げた。同法人は、栃木市を中心に壬生、都賀、大平、岩舟、藤岡町から委託を受け、居場所づくりとしての地域活動支援センター「さざなみの家」と、ふうせんセットや折り紙などの袋詰め、電装部品の加工といった簡単な作業を行う就労継続支援B型を併設する画期的なもの。
「自立支援法は、就労を促す方向性が強く、知的や身体と違い精神に障害を持っている人は『就労だけ』というのは中々難しい。能力は高くても日々の状態が変わってしまい、就労のラインには乗れません。ですから居場所づくりは外せませんでした」と念願だった施設開設に喜びを隠せない新井施設長。
さざなみの家は、「作業をしない作業所」という位置づけで、「ここで作業を行うと就労Bと同じになってしまいます」。同じ建物の中で1階は就労B、2階には地域活動支援センターを作る必要があった。「ひまわり共同作業所でも作業についていけない人、仕事ができないからプレッシャーを感じてしまい居場所ができない人たちがいた。そういう人たちが、さざなみの家を利用することで安心できる居場所ができたということ、それが大事なことです。病院を退院した人や在宅で籠っている人たちが『何かやらなくちゃ』と思い、やっと重い腰が上がって、生活のリズムを作ろうとしたとき、初めから仕事をしている所に行くと圧倒されてしまい『これじゃだめだな』ってなるが、さざなみの家であれば『まず通うことから始めようか』ができる。精神が傷ついてしまい、色々なことができなくなってしまった人には、ステップアップをしていく前のベースづくりが必要です。ステップアップしたくなれば就労Bに移る。逆に就労Bで働いていた人が『今朝起きたら調子が悪い。でも一日中家で過ごすのも辛いから、ちょっと出ようと思った時にここへきて休むことができる」。
居場所づくりは外部からの理解が得られないともらす。「市役所の担当からも『仕事はしないんですか』と言われる。病気の実態を知らない人がまだまだたくさんいます」と、地域の福祉祭りやイベントに積極的に参加し、病の理解を広めることが課題だ。
さざなみの家で製作する特産品は、 ?和紙で包んだ楊枝立て(100円)?和紙を巻いてあるペン立て(150円)?和紙などで作った上ニスを二度塗りし防水加工を施してあるブローチ(250円)?裁縫経験のある利用者の琴寄さんが細かいミシンかけをした匂い袋(250円)?紐を丸く編んだ中にこけし人形を入れたバッグ飾り(300円)?生花を摘み取るところから始める麻製の草木染めのハンカチ(500円)と?巾着袋(700円)
現在ハートピア喜連川、なかがわえん、福祉プラザ、さざなみの家などで販売中で、利用者への還元額は一人当たり月に2750円。さざなみの家では、販売協力店を募集している。
問い合わせは、TEL.0282・24・4145(ファクス兼用)。
NPO法人 蔵の街ウエイブ
施設長/新井忠孝
常 勤/新井深恵
非常勤/寺崎智恵子 戸田輝美
〒328−0042 栃木市沼和田町19−9
電話 0282・24・4145
【2007年4月20日掲載 文・写真/野田武志】